西谷浄水場は、横浜駅周辺やみなとみらいなど市内の約4分の1の給水量を担う重要な施設です。西谷浄水場では、施設の老朽化や耐震性に課題があることや、水源水質の悪化に対応する必要があること、水利権水量に対して浄水場の処理能力が不足していることから、「施設の耐震化」、「新たな浄水処理方法の導入」、「処理能力増強」を目的に、再整備の工事を行っています。
この事業は、施工難易度が高いなどの特殊性から、民間の技術やノウハウを活用して工期短縮やコスト削減が期待できるDB方式等を採用し、総額は1,000億円を超え、完了は令和14年度を見込んでいます。
「安全が一番大事」
続けていく
を西谷浄水場の再整備は、請負事業者が設計・施工を一括して行うDB方式を採用しており、私は土木分野の設計確認や施工管理、局内外の調整を行う工事監督業務を担当しています。
大正4年から100年以上の歴史がある浄水場のため、場内にはコンクリート構造物や管路など様々な施設が新旧混在しています。私が最初に担当した業務は、今まで行われてきた拡張工事、整備工事等の数百枚に及ぶしゅん工図面をひとつ一つずつ確認して工事事業者に正確に伝えることでした。
工事を安全に進めていくために、古文書のような図面を読み解きながら施設を把握するだけでなく、現場では試掘等の調査を繰り返して確認していきました。
施工現場のすぐ横には、横浜駅周辺やみなとみらい等に水を送る重要な水道管が埋まっているほか、沈でん池やろ過池といった水道水を作る大事な施設もあります。一歩間違えて施設や水道管が損傷すれば、市内の水道水が止まってしまう大事故につながるため、失敗は絶対に許されません。
この緊張感を常に忘れず、安全第一で工事を進めるようにしています。
私は建築職の職員として、主に建物の新築・解体工事を担当し、設計・工事の内容確認や発注者として必要な申請業務等を行っています。
特に設計・工事の内容確認では、完成した建屋に浄水場運用のための機械を設置しますが、施設の運転管理は機械・電気関係の職員が行うため、職種の垣根を越えて連携し、運転する人の目線に立って使いやすいレイアウトを検討してきました。
また、浄水場内に大正4年から現存する6棟の国登録有形文化財の、曳家による移設工事も担当業務の一つです。文化財を活用し、市民の方に親しまれる浄水場を目指しています。
大学では工事費の積算業務など、お金に関わることに一切触れることがなかったため、一から学ばなくてはいけないことも多くありました。しかし、初めて挑戦する仕事への取っ掛かりとしては、例えば大学での法規や施工の講義は、建築職として働く際の地盤になる知識として有益であったと思います。
また、現在携わっている事業では異なる技術職種の方々と一体となって業務を進めていくため、建築職以外の視点からも事業を見ることが必要になるところが難しいですが、貴重な経験となっています。
再整備推進課
2020年度入庁 建築
私は土木分野の設計確認や施工管理、局内外の調整を行う工事監督業務を担当しています。
工事現場は職場の目の前にあるため、毎朝事業者とのミーティングで当日の作業を確認し、立会いがあればすぐに現場に駆け付けます。また、事業者が設計を進めるうえで必要な図面や資料があれば速やかに提供し、相談があれば維持管理を担う職員と協議し、対応しています。
浄水場は土木・建築・電気・機械の各分野の専門知識を結集した施設で、どの職種も欠かすことはできません。土木は「OK」でも他職種は「NG」とならないよう、日頃から情報共有し連携して工事を進めています。
私は現在、浄水場の再整備担当として業務を行っていますが、これまで浄水場で勤務した経験はなく、正直なところ、水道水を作る過程もよく分かっていませんでした。そのため、西谷浄水場にはどんな施設があるのか、各施設の役割や課題、この事業で何をするのかは、配属後にゼロから勉強をスタートしました。
最初は、浄水場を整備する上での考え方の基準となる「水道維持管理指針」や「水道施設設計指針」などをひたすら勉強する日々が続きましたが、前向きに取り組んだことで、できる業務がどんどん増えていきました。最初は知識や経験が乏しくても、日々の取組で自然と身に着き、今では浄水場の整備を進める一員になっていると実感しています。
再整備推進課
2019年度入庁 土木